富山人の旅ログ

富山県在住。県内の色々な場所を巡ります。

平成の名水百選・いたち川の川べりをサイクリング

 

こんにちは。タカユーです。

最近、暖かい日が続いていますね^_^

天気の良い日の夕方、富山の街中を流れる「いたち川」に沿ってサイクリングをしてきました。

「いたち川」の水辺は平成の名水百選に選ばれています。とても綺麗な水辺で、今では市民の憩いの場となっていますが、昔は氾濫との闘いだったそうです。

また、芥川賞受賞作の小説の舞台の地ともなっており、色々と見どころのある川なのです。

立山通りにかかる橋から、松川との合流点付近にかかる今木橋まで、下流に向けてのサイクリングです。

富山の方言「ドンドコ」

川沿いの道を走らせていると水の音が大きくなってきました。川を見ると小さな段差が続いていて、小さな滝のようになっています。

 

この小さな滝のような仕掛けを富山の方言で、「ドンドコ」と言います。確かに、水の流れ落ちる音がそんなように聞こえてくる気がします。この「ドンドコ」がある川辺には、ドンドコ公園なるものがあり、付近の人たちの憩いの場となっています。

ドンドコ公園

川沿いのお地蔵さん

川沿いの道を走らせていると、たくさんの地蔵があることに気づきます。

今でこそ上流の砂防工事のおかげで、川の氾濫による水害に悩まされることはなくなりましたが、昔はたびたび常願寺川が氾濫し、その被害は分流であるいたち川の流域にも及んでいたそうです。

特にひどかったのが、安政5年の飛越大地震が起こった時だそうです。

地震の影響で立山の大鳶山、小鳶山が崩壊。その際に発生した大量の土砂が常願寺川をせき止め、ダムのようにせき止められた水が決壊し、大量の土砂とともに一気に富山平野部に流れ込んだというのです。

いたち川の川辺にある地蔵は、川の氾濫で命を落とした犠牲者を慰めるために祀られているのだそうです。

 

水神社というのもあります。いたち川が昔から地域の住民と密着した存在であったことが分かります。

 

地蔵の他に、変わったオブジェもあります。最初は何だこれ?と思いましたが、オブジェの隣に「螢川」と書かれた石板がありました。「螢川」は小説家宮本輝さんが芥川賞を受賞した作品の名前です。

このオブジェは「螢川」が映画化した際に、この地がロケ地となったことを記念した者らしいです。

私も「螢川」を呼んだことがありますが、とても好きな作品の一つです。抒情的な小説です。

 

清水町付近

石倉町の延命地蔵の水

川の周りもすっかり市街地の様相を帯びてきたあたりに、湧き水がこんこんと溢れている場所があります。これこそが、平成の名水百選に選出された清水なのです。

富山平野は、常願寺川神通川が作り出したいくつかの扇状地によって形成されました。扇状地の末端部(扇端)は湧き水がよく出てきますので、このあたりは扇状地の末端部分なのでしょうね。

私が訪れた時にも、水を汲みに来る人がちらほらと来ていました。何しろ万病に効くということで、地元の人たちを中心に、愛されているようです。

 

延命地蔵の水の説明書き

付近はビルやマンションが立ち並ぶ市街地です。こんな街の中に、名水が湧き出てくるなんて面白いなと思います。


さらにそこから少し行くと、松川との合流点に到着します。「今木橋」はちょうど松川との合流地点付近に架かる橋です。
松川と合流したあと、いたち川は北陸新幹線の高架下をくぐり、環水公園の横を通って、最終的に神通川へと注ぎます。

 

右手側がいたち川、左手側が松川です。付近には電気ビルなどがあり、富山市の中心部です。ちなみに松川は、春になると川沿いの桜並木がとても綺麗で、遊覧船が運行されます。

いたち川の説明書き

まとめ

いたち川は常願寺川から分かれて、田園地帯や富山の街中などを経て、最終的に神通川に注ぐ長さ12キロほどの短い川ですが、川辺には公園や地蔵、神社、そして湧き水の水くみ場があったりと、付近の住民と密接なつながりがあることが分かりました。昔から川は人間が生活していくためには欠かせないものですが、川の歴史をたどるとその土地ならではの歴史や人々の暮らしなんかも見えてくるので面白いですね。

県内の他の川辺も観察していきたいと思います。